前科あり・自己破産していても大丈夫?宅建士の資格登録できない人

前科あり・自己破産していても大丈夫?宅建士の資格登録できない人 宅建士試験とは

宅建士には欠格事由というものがあります。こういう人は宅建士にはなれませんよという決まりのことです。

今回は破産を経験していたり、過去に犯罪を犯している人が宅建士になれるかということについて解説していきたいと思います。

前科あり・自己破産していても大丈夫?宅建士の資格登録できない人

前科あり・自己破産していても大丈夫?宅建士の資格登録できない人

宅建士試験には受験資格の条件はありません。基本的には誰でも受験することができます。(不正受験をしたり、不正受験をたくらんだ場合は最長3年間受験できなくなります)

しかし試験に合格したところで宅建士の登録を受けることができる人については条件があります。欠格事由といって宅建試験の頻出範囲でもあります。

  1. 未成年者で、成年者と同一の行為能力がない人
  2. 成年被後見人、被保佐人、または破産者で復権を得ない人
  3. 宅建業法違反、傷害罪や暴行罪といった暴力系犯罪、背任罪によって罰金刑以上の刑を受け、刑の執行から5年を経過していない人
  4. その他の犯罪であっても禁固以上の刑を受け、刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者

これに該当していると宅建士としての登録はできません。破産者や一定の犯罪を犯した者は「宅建士」にはふさわしくないということで登録ができなかったり、既に登録している場合は返納しないといけなくなります。

法律の文章は難しくてわかりづらいと思いますので、具体的に説明していきます。

宅建受験の勉強としては「業者の免許」「宅建士の免許」の2種類ありその区別もしっかりしておきましょう

宅建士登録・「破産者で復権を得ない人」ってなに?

宅建士登録・「破産者で復権を得ない人」ってなに?

それでは自己破産してしまうと宅建士になれないかというと、全然違います。むしろ自己破産などしていても問題なく宅建士の登録ができる場合が多いでしょう。

欠格事由はあくまでも

破産者で復権を得ないひと

という風に決められています。「破産者」ではなく「破産者で復権を得ていない人」だけです。

それではこの復権とはなにか具体的な例でいうと、

自己破産の手続きを開始して、「お金を返せないです。すいません。」と言っている手続きの最中の人は宅建士にはなれない

手続きが終わるつまり裁判所が免責決定というのを出して「もうそのお金は払わなくていいです」となれば復権を得たことになるので、そこからは宅建士の登録ができる、ということです。

通常の自己破産の手続きは半年くらいで終わるので、自己破産により宅建士に登録できないというのはそれくらいの期間です。数年前に自己破産したから、宅建士になれない」ということはありません

自己破産したら5年間・10年間は登録できないというような話もありますが全くの嘘です。

宅建士登録・前科があっても大丈夫?

宅建士登録・前科があっても大丈夫?

次に前科・過去の犯罪歴についても欠格事由がかかれています。こちらも犯罪率などを考えるとあまり当てはまる人も少ないのかなと思います。

比較的軽い犯罪について

宅建業法違反、傷害罪や暴行罪といった暴力系犯罪、背任罪によって罰金刑以上の刑を受け、刑の執行から5年を経過していない人

宅建士の欠格事由

条件を分解すると、

  • 「宅建業法の違反や暴力系もしくは背任罪」
  • 「罰金刑以上の刑が確定」
  • 「刑の執行から5年間」

この3つに当てはまると宅建士の登録ができないということです。

不動産業界で悪事を働いた人や暴力的な人は比較的軽い犯罪を犯しただけであっても、排除しておこうという意図です。

「罰金刑以上の刑が確定」というのがよくわからないかもしれませんが、現在の日本の法律では刑の重い順に、「死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留、科料」というものがあります。暴力行為や宅建業法違反をしても拘留もしくは科料であれば、宅建士の登録は可能です。

犯罪を犯して「お金を支払った経験」があるとしても、それが「罰金」なのか「科料」なのかによります。1万円以上が罰金で1万円以下が科料です。
ちなみに車の駐車違反やスピード違反は「反則金」で罰金や科料といって刑罰ではありません。

禁固刑など重い犯罪について

その他の犯罪であっても禁固以上の刑を受け、刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者

宅建士の欠格事由

不動産業界と全く関係のない分野でも重い罪を犯した人は排除しておこうという意図です。

条件を分解すると

  • 「いかなる犯罪でも禁固以上の刑が確定している」
  • 「刑の執行を終わり、執行を受けることがなくなった日から5年間」

「死刑」か「懲役」か「禁固」の刑罰が確定しているひとは、刑務所から出て来てから5年間は宅建士の資格登録できないということです。

刑務所に入らない執行猶予の場合は、執行猶予の間は資格登録できず、執行猶予期間が経過すると即登録可能になります。
執行猶予は期間が満了すると、「さかのぼって、刑に処せられなかった扱いになる」からです。

宅建士試験の合格は一生有効

宅建士試験の合格は一生有効

ここまでの話は宅建士としての資格登録ができるかどうかという話です。先にも書いたように試験の受験資格はどんな人にもあります。

さらに言うと、宅建士の試験に合格したことは何があっても一生有効です。

つまり宅建士の資格試験に合格し資格登録をして働いていたが、自己破産したり禁固刑になるような犯罪を犯した場合も、登録はなくなりますが、試験の合格はなくなりません。ですので資格登録ができるようになった時に、もう一度宅建の試験を合格しないといけないのではなく、資格を登録すればいいだけです。

前科あり・自己破産していても大丈夫?宅建士の資格登録できない人:まとめ

宅建士には資格登録の欠格事由というのが決められており、

自己破産の手続きの真っ最中のひとは宅建士の登録はできないが、もう自己破産の手続きが終わっている人は宅建士の登録ができる

前科がある場合は、罰金以上の刑でなければとりあえず宅建士の登録はできる。だいたい軽い犯罪は「拘留か科料」で済んでいるはず。

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